付録10: 小児科医のための家族中心のアプローチの方法

フィンランドのトゥルク大学病院の方針

出生前

  • 小児科/新生児科医による出生前相談
  • 家族の疑問に沿って
  • CLIP面接の要素を思い出しながら
  • 両親の存在や参加が赤ちゃんの治療の不可欠であることを伝える
  • 両親がケアや意思決定に参加する可能性があることを伝える
  • 医師の回診が情報共有という点でとても大切で、可能な時はいつでも参加してほしいことを伝える
  • 母乳の大切さを伝える
  • NICUの事前の見学

出生後

  • 分娩室からNICUに赤ちゃんを運んでくる際に、父も一緒に来てもらう
  • 小児科医は、新生児の状態が安定したらできるだけすぐに、写真を持って母へ会いに行く
  • 遅くとも分娩後2時間以内に

日々の回診

  • 両親に最初に、赤ちゃんの様子を語ってもらう。詳細な報告や児について気になることをよく聞く
  • 児の様子をもとに個別に問題を解決する
  • できるだけ早くカンガルーケアできるよう、両親を促す。同時に、カンガルーケアについての希望も聞く
  • 家族が希望する場合には、医療処置への家族の参加を個別に決定する。例えば酸素投与量の調整、アラームに関する知識、気道吸引など。医師、担当看護師、家族の間で、書面による同意を交わしておく
  • 医療処置の際に家族が同席することを許可する。例えば手で包み込んで児の疼痛緩和に協力できる

毎週の面談

  • 両親の質問内容に基づいて
  • CLIP面接の要素を思い出しながら

在宅移行前に

  • 長期入院児や早産児の場合、在宅移行の約5-7日前に医療サマリーを家族に渡して目を通してもらう
  • 入院の最後の1週間の間に最後の面談を行い、そこで医療サマリーに一緒に目を通す

両親の意向を踏まえた在宅移行

  • 在宅移行のために両親に何が必要でどの順番で進めていくかを、両親と一緒に考える
    • 教えてもらうべき事項 (自宅での内服、栄養方法)
    • 外来のフォローアップ受診
    • 在宅移行前に外来の保健師がNICUの家族を訪問
    • 在宅移行前に病棟内で児と一緒に1-2晩過ごす
    • 外出や外泊を行う
    • 場合によっては多職種カンファランス