振り返りの指揮は、関係性に基づいた指導方法です。これは、乳児のメンタルヘルス、早期幼児サービス、そして家族支援で有効な方法です。これらの分野では、両親や同僚との関係性を築くことが、支援や治療介入を行うにあたり重要です。両親との関係性の構築のために重要な要素は傾聴や受容であり、これらは信頼性を築き治療的変化のための基礎となります。受講生が自分の言ったことを聞いたり尊重したりしてもらえることで、彼らは逆に両親や同僚のことをよく傾聴できるようになります。またこのトレーニングモデルでは、メンターに聞いてもらい受け入れられることで、受講生が仕事の中で家族と使えるモデルや核となる経験を得ることができます。
グループでの振り返りの指揮における必要要素:
グループでの振り返りは頻繁に行ってください。病棟の大きさによって、グループは開放式でも閉鎖式でも構いません。開放グループとは集まる度にグループメンバーが変わることで、例えば仕事のシフトに合わせたメンバーにするなどです。この場合、それぞれの参加者がどれぐらいの頻度で振り返りに参加できるかを追跡しておくことが大切です。閉鎖グループとは常に同じメンバーがグループに参加することです。毎回同じ人がグループの指揮を執ることになり、きちんと履修が進む可能性が高まります。しかし、開放グループでは、新しい考えに触れる機会が多いなどの利点もあります。
メンターは、グループの器となり互いに尊重し合う雰囲気を作ることで、振り返りセッションを和やかにします。提起されたあらゆる問題は、その人の意見を尊重しNICUでの仕事に敬意を持ちながら議論されます。和やかな雰囲気であれば、考えや気持ち、悩みや懸念を表明しやすくなるでしょう。解決策や新しい視点は、常に一緒に検討しましょう。新しい考えをすぐに拒否するのではなく、ともに考えようとする姿勢が大切です。このトレーニングモデルは、受講生にすべきことを指示するものではありません。メンターや他の同僚とともに一緒に考えたり疑問に思ったりする場を提供することが目的です。このようにして、全ての受講生が自分の経験や知識、直感を病棟のケアに生かしていきます。一貫してこのようにやることで、振り返りやその安心できる雰囲気がNICUのケアにおける新しい発想や戦略、実践方法を生み出すかもしれません。
メンターの振り返りにおける役割とは、受講生の仕事がどれだけ自分の視点や両親、赤ちゃん、同僚の視点を通じてろ過されているかを知る能力を、受講生自身が伸ばし経験するのを助けることです。振り返りの目的の一つは、自分の内的反応やまだ気づいていない経験について意識的になることです。他にも、他人がその人自身の視点を持っていて、その人の解釈を他者が理解することは難しい場合もある、ということを学ぶことも大切です。自分が本当に言いたいことを誰かが理解してくれようとしていることが、どういう風に感じられるかを受講生に体験してもらうための手法として、受講生の言ったことをメンターが自身の言葉で繰り返すやり方があります。
Close Collaboration with Parents trainingの振り返りで重要視しているのは、トレーニング中に実際にあった出来事から生まれた考え、気持ち、そして疑問です。このためには、一般論ではなく、トレーニング中の具体的な場面を取り上げてもらうよう受講生に頼むことが最良と考えます。例えばメンターは、受講生がある赤ちゃんや家族を相手にした個別のケアについて話す際に、その場面の全ての物語を話してもらえるよう促します。これは物語テクニックと呼ばれ、受講生が自分の視点から経験について考えるのを助けます。加えて、管理者は受講生が異なる3つの視点(自身、赤ちゃん、両親)から自身の経験を考えることも促します。受講生と赤ちゃんと両親の三方向から物事を考えることは、日々の仕事の中での両親や赤ちゃんとの関わりにおいて役に立つでしょう。
メンターのガイドライン:
- メンターに求められていることは、トレーニングのプロトコルを理解し、トレーニングの入門講義に参加し、トレーニングのテープを見直し、トレーニングマニュアルを読んでいることが望まれます。
- 指導はトレーニングの各段階に沿って行われ、それぞれの段階の参加者がトレーニング内容を振り返ることができます。
- 指導は、ベッドサイドの実習やトレーニング全体における、個人やグループ単位での新たな発見を手助けすることを目指しています。
- メンターは、受講生の仕事における責任や経験を尊重しながら、ともに学んでいきます。
- 指導の過程での話し合い内容はすべて、敬意を持って扱われ、グループ外への公表は慎重に行われます。
- 指導グループは、全員が議論に参加できる適切な大きさにすべきです(最大10名が推奨)
- メンターは振り返りセッション前に、一家族またはそれ以上とのトレーニングの内容を共有する準備を、受講生に促しても良いでしょう。
- 受講生が振り返りやトレーニングのストーリーを語るのを促すために、メンターは興味を持って、相手を尊重するような質問を使ってみると良いでしょう。(例えば:その時の様子をもっと詳しく教えてもらえますか?どう始まったのでしょう?それから何が起きましたか?あなたが最も大変だった状況はどんな時でしたか?)
- メンターは受講生の振り返りを促す際に、「三方向からの振り返りテクニック」を用いると良いでしょう。あらゆる出来事は、受講生・両親・赤ちゃんの3つの異なる視点から振り返ることができます。
- メンターは、新しいやり方を受け入れるペースが、受講生それぞれで異なることを認識し、受け入れてください。